こだわりのデニムの話

こだわりのデニムの話

こんにちは。

衣装制作の野知です。

このたび、企画製作に携わらせていただいた、ワタナベ薫さんのデニムが追加発売になりました!

https://ameblo.jp/wjproducts1/entry-12547520362.html

こちらのデニムは「Kaoru&Shiz Collection」として製作されたもので、メイクアップ・パーソナルスタイリストとしてご活躍のShizさんが監修しています。

なんで衣装制作の野知が?ジーパンって衣装じゃないやん!という感じですが。。。

私がShizさんと20年来の友達であること、そして私がアパレルの企画デザインの仕事をしていた経験があるということでいただいたご縁になります。

関係者の私が言うのもおこがましいんですが、このデニムは本当に良いプロダクトで、「背中を押してくれる」「夢のある」デニムに仕上がってると自負しています。

「NOT CLOTHES 、BUT DREAM」です!(単なる服じゃなくって、夢のある服」です!)

この記事では「デニム製品について」と「今回のこだわったポイント」について語ります!

 

「デニム製品」の特徴

アパレル製品の中でも、デニム製品は他と性格が異なります。

デニムはデニムのスペシャリストが生産されます。

今回の「Kaoru&Shiz  collection」の製品もデニム専門工場で製作されました。

私はその、総社カイタックファクトリー様を2度ほど工場見学させていただいただけで、デニムに詳しい訳では全くなく、ものすごく奥深い製品の入門部分を少し見せていただいただけです。

それでもとにかくまず驚くのが、縫ったあとの製品加工にすごく時間と手間と労力がかかっていることです!

 

販売されているジーパンの色落ちっていろんな濃度もパターンもあります。

全体が均一に色落ちしてるんじゃなくて、履いたときの形に、太腿~膝中心に色落ちしていたり、足の付け根の鼠蹊部に「ヒゲ」が出ていたり。その他にも破けたり擦り切れていたり。

デニムのヒゲ

こういう色落ちなどは本来、無加工のデニム(ローデニム)を自分で履き込んだら時間をかけて出来るはずのユーズド感を人工的に作って、販売時に新品なのにユーズドに見える状態にすることが目的です。

要するに「こなれ感」を作っています。

 

加工の方法も色々あって

石と洗ったり(ストーンウォッシュ)

酵素で洗ったり(バイオウォッシュ)

漂白したり(ブリーチ)

砂を吹き付けたり(サブレ・サンドブラスト)

ヤスリで擦ったり(シェービング)

レーザーで焼いたり(これはレーザーでいいと思う笑)

ヤスリで穴を開けたり、カッターで切ったり、ペンキ飛ばしたり、(クラッシュ)

オイル塗ったり(オイルド)

さらに染め直したり、様々な薬剤で微妙な色調整をしたりなどなど・・・

私が知ってるだけでもこれだけ加工の種類があります。

そんな製品、デニムの他にはなかなかありません。

 

そしてローデニム以外は製品を洗う工程が入ります。

綿素材を洗うということは、必ず縮むということです。

何パーセント縮むかは生地によって違います。

縮む分をあらかじめ計算して、裁断して縫い上げないといけません。

 

また、デニム生地は厚みがあります。

ベルト部分など、生地が何枚にも重なる部分はそれだけパワーのあるミシンじゃないと縫えません。

カンヌキステッチなどの、丈夫に縫うための特殊ミシンも必要です。

リベットという金具も付いています(これは革製品やジャンパーにも付いてます)。

カンヌキステッチ、リベット

「Kaoru&Shiz  collection」のデニム

「Kaoru&Shiz  collection」のデニムの工場のすごいのは、前述の加工も全部、同じ工場内でやっているところです。国内、岡山で。

しかもベルト裏やポケットに刺繍が入ってるんですが、この刺繍のミシンも工場内にあります。

ベルト裏の刺繍

ベルト裏に入ってる刺繍、大好きなこだわりポイントです!

 

シルエットや丈も、デニム専門のパタンナーさん(型紙を作る人)が専門のノウハウで作ってくださったものです。

すごいのが、ほとんどの方が裾直しをしないで大丈夫だというところ…もう神業です!

日本の女性の体型を研究して1センチずつ、ちょっとずつ調整して決めたそうです。

脚もお尻もキレイに見えるような形で研究されています。

着心地もすごく良くって、ちょっと驚くほど。

キレイに見えるのに着ていて楽なデニムってなかなか無いと思います。

 

薫さん&Shizさん(とちょっとだけ私)で、「キレイめをキープしながらこなれ感もある絶妙な色と加工具合」にこだわって、何度もサンプルを作ってもらいました。

こだわりと技術の結晶のデニムなんです。

「ちょっと特別」「履いたら背筋が伸びる」「テンションが上がる」と言うのにふさわしいデニムができたと思っています。

お仕事させていただけて光栄でした!